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Slaked Plaster of Paris を作る(現代の方法)

ギルディング下地のジェッソ作りで、その材料に書かれている

”Slaked” Plaster of Paris

この “Slaked” というのがどういうものなのか、といろいろ勉強しました。

化学的に正確ではないですが、簡単に書いてしまうと
焼石膏(Plaster of Paris、半水石膏)+ 水 =二水石膏(清和した石膏)
ということのようです。
わざわざPlaster of Parisを購入して、手間をかけて二水石膏にするよりは、最初から二水石膏(ボローニャ石膏、ソチーレ石膏)を購入したほうが楽なように思います。
が、今回、ぜひ多くの古い文献に書かれている、Plaster of ParisのSlake(清和、水和)をしてみようと思い立ち、作業開始することにしました。
伝統的な清和の方法は、制作におよそ1ヶ月かかります。それで見つけたのが、モダンな方法として1日でできるもの。

今日は、その現代の方法を紹介します。これで作った Slaked of Paris がジェッソづくりに向いているかは、完成後にまた別の形で報告します。

 

【材料】
Plaster of Paris 約250g
蒸留水 たっぷり

 

【作業】
1. まず、材料と道具を揃えます。

 

2.Plaster of Paris 250g を計って、バケツなど大きな容器に入れます。
今回は見やすいようにガラスの瓶を使いました。

 

3.蒸留水を1リットル程度加えます。

 

4.5分以上、よく混ぜます。5分程度かき混ぜたら、そのまま蓋をして、
静かなところに10分から15分程度、石膏が底に沈んで、水と分離するまで
置いておきます。(長く置きすぎないこと。石膏が固まってしまうことがあります)

 

5.15分ほど経過した状態。石膏が底に沈み、水が上に浮いてきています。

 

6.この上に浮いてきた水をできる限り捨てて、また新たに1リットル程度の
蒸留水を加えます。

 

7.さらによく混ぜます。最低でも5分は混ぜ続けます。
その後また、蓋をして静かな場所に、10分から15分、
水と石膏が分離するまで置いておきます。

 

8.石膏が沈み、水と分離しました。

 

9.これ(手順6−8)を、Phが中性になるまで繰り返します。リトマス試験紙を使ってチェックします。
最低4回。必要に応じて何回でも繰り返します。多く繰り返す分には全く問題はありません。

 

10.石膏が中性になったら、上澄みの水をできる限り捨てます。
私はコーヒーフィルターを使いました。

 

11.余分な水分を捨てたあと。

 

12.これをベーキングシートを敷いたトレイの上に広げます。
乾燥させたいのでできるだけ薄く広く。

 

13.1日後。まだまだ湿っています。

 

14.5日後。だいぶ乾燥してきました。
でもまだ表面がしっとりしているので、もう少し乾燥させます。

 

今のところはここまで。
しっかり乾燥が終わったら、すり鉢で細かい粉末状にして
ボトルに保存しておきます。
次回は、伝統的な方法の Plaster of Pris の清和の方法をご紹介します。

 

サンフランシスコ近郊、East Bay Area の自宅でカリグラフィー教室を開いています。
また、ご依頼に応じて宛名書き、カード作り、記念ボード作りも承っております。
興味のある方ぜひお問い合わせくださいませ。

フェイスブックページにも、ぜひ遊びに来てくださいね♪

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Phantom-Line

”Phantom-Line”という商品があるのですが・・・これは果たして使い物になるのでしょうか?
FBを通して交流しているKimさん(Kimさんのお店のページはこちら。北晋商事オンライン直営店)がFB上で紹介なさっていたので、私も思い切って注文して試してみることに。過去にIAMPETHコンベンションで試したことはあったのですが、気になりつつも購入を見送っていたものです。

Phantom-Line Lettering and Drawing set
Phantom-Line Lettering and Drawing set
Phantom-Line Lettering and Drawing set
Phantom-Line Lettering and Drawing set
Phantom-Line 100 Lettering Guide
Phantom-Line 100 Lettering Guide

セットには、ガイドシートをセットする白いブラスティック板とそこにセットしたガイドラインを反射させるための黒っぽい透明のプラスティック板、それをセットする土台、ガイドシート数種類が含まれています。

これをこのようにセットして使います。

Phantom-Line 100 Lettering Guide
Phantom-Line 100 Lettering Guide
Phantom-Line
Phantom-Line

この黒い板にガイドラインが投影されるので、下の写真のように、ここを覗き込みながら書くことになります。ガイドシートは付属のものでなく、もちろん上の写真のように自作のガイドシートでも大丈夫です。が・・・気をつけないといけないのは、板に反射したものを見ることになるので、当然左右対称(鏡と同じです)。ガイドラインの角度は逆の角度でかいておかないと意味が無いです。。。

Phantom-Line 100
Phantom-Line 100

 

さて、実際にかいてみましょう。まずは黒い紙に書いてみます。

Phantom-Line
Phantom-Line
Phantom-Line
Phantom-Line
Phantom-Line
Phantom-Line

黒い紙にもガイドラインは投影されています。一番右の写真でお分かりの通り、スラントラインが逆の角度で投影されてしまっています。

 

次は白い紙に書いてみます。

Phantom-Line
Phantom-Line

こちらもガイドラインがきちんと投影されています。

 

さて、肝心の書き心地と、その結果なのですが・・・

書き心地は、正直な所いいとはいえません。ガイドラインをひかずに手抜きをしようとしているわけですから、仕方ないのですが、ある程度慣れれれば何とかなりそうなものの、まだカリグラフィーを習いたての初心者の方には決してオススメできません。変な癖がついてしまいそうです。板を覗きこむ角度で、ガイドラインにずれも生じるし、慣れるまで難しそうです。文字を書く姿勢もとてもいいとはいえず、無理な姿勢で書くことになります。ただ、やはりライトボックスを使えないような、濃い紙や厚い紙に大量に書く必要があるときには救世主的な存在にもなりそうです。文字練習にはまったくもって不向きですが、実用品として捉えればまれに役に立つケースもありそうです。

肝心の書いた結果ですが・・・やはりいくらかずれが生じます。

Phantom-Line
Phantom-Line

上の写真で白い紙に書いたものです。これに赤いペンでベースライン、ウェストライン、アセンダーラインを書き入れてみます。すると、やはり高さがバラバラになっています。前にも書いたとおり、覗きこむ角度で微妙なズレが生じるため、こんな結果に。それこそ慣れれば修正できるようになる範囲なので、しばらく使ってみて練習してみようと思います。このままではプロの仕事として、この道具を使うことはできません。

使う用途としては、大量の宛名書き、結婚式などの席札の名前書きに便利そうです。でもそのためには道具を使いこなすという、ちょっとカリグラフィーの本質と離れた練習が必要となりそうです。仕事としてでなくプライベートでの宛名書きなどで活用するにとどまりそうな・・・そんな気配を感じています。ただ、最近流行している、あえてベースラインをずらしたりする、いわゆるモダンカリグラフィーの書体にはとても便利かもしれません。

さて、大きい方のPhantom-Lineですが、これはガイドラインだけではなく、写真やデザインのコピー(トレース)にも使えるので、もしかしたらイルミネーションのトレースで使えるかも・・・と密かな期待はしています。が・・・やはりずれが・・・・それこそ細かいデザインの時、そのずれは致命傷になるので、結局使いこなすには相当の時間がかかりそうです。

 

購入はこちらから

Paper & Ink Arts
http://www.paperinkarts.com/tools-of-the-trade-writing-tools-phantom-liners.html

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KOH-I-NOOR Sharpener 鉛筆削り

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