”Phantom-Line”という商品があるのですが・・・これは果たして使い物になるのでしょうか?
FBを通して交流しているKimさん(Kimさんのお店のページはこちら。北晋商事オンライン直営店)がFB上で紹介なさっていたので、私も思い切って注文して試してみることに。過去にIAMPETHコンベンションで試したことはあったのですが、気になりつつも購入を見送っていたものです。
セットには、ガイドシートをセットする白いブラスティック板とそこにセットしたガイドラインを反射させるための黒っぽい透明のプラスティック板、それをセットする土台、ガイドシート数種類が含まれています。
これをこのようにセットして使います。
この黒い板にガイドラインが投影されるので、下の写真のように、ここを覗き込みながら書くことになります。ガイドシートは付属のものでなく、もちろん上の写真のように自作のガイドシートでも大丈夫です。が・・・気をつけないといけないのは、板に反射したものを見ることになるので、当然左右対称(鏡と同じです)。ガイドラインの角度は逆の角度でかいておかないと意味が無いです。。。
さて、実際にかいてみましょう。まずは黒い紙に書いてみます。
黒い紙にもガイドラインは投影されています。一番右の写真でお分かりの通り、スラントラインが逆の角度で投影されてしまっています。
次は白い紙に書いてみます。
こちらもガイドラインがきちんと投影されています。
さて、肝心の書き心地と、その結果なのですが・・・
書き心地は、正直な所いいとはいえません。ガイドラインをひかずに手抜きをしようとしているわけですから、仕方ないのですが、ある程度慣れれれば何とかなりそうなものの、まだカリグラフィーを習いたての初心者の方には決してオススメできません。変な癖がついてしまいそうです。板を覗きこむ角度で、ガイドラインにずれも生じるし、慣れるまで難しそうです。文字を書く姿勢もとてもいいとはいえず、無理な姿勢で書くことになります。ただ、やはりライトボックスを使えないような、濃い紙や厚い紙に大量に書く必要があるときには救世主的な存在にもなりそうです。文字練習にはまったくもって不向きですが、実用品として捉えればまれに役に立つケースもありそうです。
肝心の書いた結果ですが・・・やはりいくらかずれが生じます。
上の写真で白い紙に書いたものです。これに赤いペンでベースライン、ウェストライン、アセンダーラインを書き入れてみます。すると、やはり高さがバラバラになっています。前にも書いたとおり、覗きこむ角度で微妙なズレが生じるため、こんな結果に。それこそ慣れれば修正できるようになる範囲なので、しばらく使ってみて練習してみようと思います。このままではプロの仕事として、この道具を使うことはできません。
使う用途としては、大量の宛名書き、結婚式などの席札の名前書きに便利そうです。でもそのためには道具を使いこなすという、ちょっとカリグラフィーの本質と離れた練習が必要となりそうです。仕事としてでなくプライベートでの宛名書きなどで活用するにとどまりそうな・・・そんな気配を感じています。ただ、最近流行している、あえてベースラインをずらしたりする、いわゆるモダンカリグラフィーの書体にはとても便利かもしれません。
さて、大きい方のPhantom-Lineですが、これはガイドラインだけではなく、写真やデザインのコピー(トレース)にも使えるので、もしかしたらイルミネーションのトレースで使えるかも・・・と密かな期待はしています。が・・・やはりずれが・・・・それこそ細かいデザインの時、そのずれは致命傷になるので、結局使いこなすには相当の時間がかかりそうです。
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Paper & Ink Arts
http://www.paperinkarts.com/tools-of-the-trade-writing-tools-phantom-liners.html